出生率が過去最低の1.20となったというニュースを見ました。私達保育士や保育園との関係ってあるのでしょうか?勉強させてください
そうですね、東京ではなんと0.99という初めて1を下回ってしまいました。子どもに関する職業に携わっている私達はやはり気になるニュースです。本日は合計特殊出生率と保育の関係について色々と考えてみましょう!
どんなニュース?
厚生労働省の人口動態統計2023によると、日本の合計特殊出生率が1.20を下回るという厳しい現実が明らかになりました。
これは過去数十年にわたる出生率の低下傾向が続いていることを示していて、将来の人口減少や高齢化社会の進行を加速させる要因となっています。
実際のニュースはこちらから
合計特殊出生率とは?
合計特殊出生率ってなんでしょうか?よく聞く言葉なんですけど、いまいちよくわかっていなくて・・・
合計特殊出生率とは、女性が一生の間に産む子供の平均数を示す指標です。1.0であれば、一生の間に平均1人生みますよということですね。ちなみに小数点があるのは、平均計算だからです。
一般的には15歳から49歳までの女性を対象に計算され、人口の再生産(今の現状を維持すること)に必要な水準が2.1とされます。
今回の1.20という値は、国の人口を維持するためには非常に低い水準であることを意味します。
この数値は社会のさまざまな要因、例えば経済的な安定、労働環境、福祉制度の充実度などが密接に関連しています。したがって、この指標は国全体の社会政策の効果を評価するための重要な指標でもあるんです。
下記の表は厚生労働省が発表した合計特殊出生率の推移になります。右肩下がりでズルズルと下がってきていることがわかります。
参考図:厚生労働省 令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況
待機児童の状況はどうなっている?
合計特殊出生率、いわゆる生まれる人数はわかりました。ここで今度は受け入れる側をみてみましょう。なにかしらの相関関係がありそうです。
ここから、私達に関連する”待機児童”と組み合わせて考えてみましょう。
待機児童とは保育所等の申込をしたにも関わらず、定員超過で利用できなかった児童のことですね!
子ども家庭庁の令和5年4月の待機児童数の調査によると待機児童数は2,680人となっています。調査開始以来5年連続で減少し、約86.7%の市区町村で待機児童は0という報告がされています。
理由としては”保育園等の預かる施設の拡大”や”人口の減少”とされています。
やはり合計特殊出生率と待機児童の数の相関関係はありました。この調査によると待機児童はピーク時(H29)の時の約10分の1となっています。
ちなみに以下の図は子ども家庭庁が発表した「令和5年4月の待機児童数」です。かなり減っていることがわかります!
保育園の空き状況は?
待機児童がなくなってきたということは、保育園なども空きが出てきているのでしょうか?
子ども家庭庁の保育所関連状況とりまとめ(令和5年4月1日)によると、保育所等の利用定員は305万人、それに対して保育所等を利用する児童の数は272万人と発表されています。
お見込みのとおり、保育園で定員割れしている施設もありそうですね。
ここで忘れてはいけないことがあります。それは地域によって大きな差があるということです。
特に都市部では保育園の待機児童が高い水準にあり、まったく空きがないという状況も珍しくありません。子ども家庭庁の調査では、保育士の人材不足により、保育園の定員数を減らすことで満室となっているケースもあるということです。
合計特殊出生率と保育園の関連まとめ
合計特殊出生率と保育園の状況には密接な関連がありました。出生率が低下し続ける理由の一つには、保育施設の不足や待機児童問題が挙げられてきました。
働く親にとって、子供を安心して預けられる場所がないと、家庭での育児負担が大きくなり、二人目、三人目の出産をためらう要因となります。逆に、保育園の拡充や質の高い保育サービスが提供されることで、働きながら子育ても可能となり、出生率の向上につながる可能性があります。
こうした観点から、国は保育園の整備や保育士の人材確保、処遇改善をすることで少子化対策の一つとなっていたんです!
それでも合計特殊出生率は減り続けているんですけどね・・
そうですね・・・ただ待機児童対策は一定の成果は出ていて、今はどちらかというと経済・家計的な問題点のほうが少子化には影響が強そうです。 最近は、保育料の無償化や児童手当などお金の面に力を入れているイメージですね!
いかがでしたでしょうか?今回は合計特殊出生率と保育の関係についてでした。保育士として働いていると、結構狭い世界で外との接点を感じにくく、社会に触れるきっかけがあまりなかったりします。
私達も現場だけでなく、ちょっと社会情勢に目を向けるだけでも、視野を広くもてる保育士として自分の価値があがっていくと思います!
このサイトでも保育士ニュースを取り上げています。頑張って自分のスキルアップをしましょう!